天猫国際の出店費用はいくら? — 保証金・年費・技術サービス料(佣金)の仕組み【2026年版】
目次
天猫国際(Tmall Global)に出店するときにかかる費用は、大きく「保証金」「年間費用(技術サービス年費)」「技術サービス料(佣金=取引手数料)」「基礎ソフトウェアサービス費」の4つに分かれます。この記事の金額・料率は、二次資料の相場観ではなく、天猫国際の公式規則ページ(rule.tmall.hk)に掲載されている招商規則・資費標準そのものから引いています。具体的には、保証金は店舗形態とカテゴリで5万〜30万元(医薬・一部の栄養補助食品などは30万元以上)、年間費用は3万元または6万元、技術サービス料(佣金)はカテゴリ別におおむね1〜5%、加えて2025年4月1日から成約額の0.9%が基礎ソフトウェアサービス費として差し引かれます。ただし料率・区分は天猫国際が随時改定するため、出店前には必ず最新の公式規則で確認してください(本記事は2026年5月12日施行の資費標準を基準に整理しています)。
天猫国際の出店費用は何がかかるのか — 4つの費用の全体像
天猫国際の出店費用は、「開店時に一度預ける費用」と「運営中に継続してかかる費用」に分けて考えると整理しやすくなります。開店時にまとまって必要になるのが保証金と年間費用、売上に応じて継続的に差し引かれるのが技術サービス料(佣金)と基礎ソフトウェアサービス費です。まず全体像を一覧で押さえておきましょう(金額・料率はいずれも天猫国際の公式規則ページ〔rule.tmall.hk〕より)。
| 費用項目 | 金額・料率(天猫国際 公式規則より) | 性質・課金のタイミング |
|---|---|---|
| 保証金 | 店舗形態・カテゴリで5万〜30万元(医薬・一部の栄養補助食品などは30万元以上)。在庫を自社で持たない銀河専営店は一律2.5万元 | 開店時に預け入れ。退店時に原則返還される「預り金」 |
| 年間費用(技術サービス年費) | 3万元 または 6万元(一級カテゴリで2区分) | 毎年かかる固定費。天猫国際では制度として維持されている |
| 技術サービス料(佣金) | カテゴリ別におおむね1〜5%(化粧品4%・食品2%・健康食品3%・粉ミルク2〜3%・アパレル5%など) | 売れるたびに成約額から自動で差し引かれる |
| 基礎ソフトウェアサービス費 | 成約額 × 0.9%(2025年4月1日〜) | 買い手の受取確認後に成約額から差し引かれる。返品分は返還されない |
ここで大事なのは、これらはいずれも「経営するカテゴリ(類目)」と「出店形態」によって変わるという点です。とくに保証金・年間費用はカテゴリと形態で段階が決まり、化粧品・健康食品・食品・粉ミルクといった規制の関わるカテゴリでは高めに設定される傾向があります(出典:天猫国際 資費標準〔rule.tmall.hk〕2026年5月12日施行)。以下、項目ごとに天猫国際の公式規則に沿って見ていきます。
保証金(保証金)— 出店形態で変わり、退店時に返還される
保証金は、規約違反があった場合の補填などに充てるためにアリババへ預ける「預り金」で、退店時には原則として返還されるのが特徴です(=売上から消えていく費用ではありません)。金額は経営するカテゴリと店舗形態(品牌旗艦店・専売店・専営店・卖场旗艦店)で段階が決まります。天猫国際の資費標準(2026年5月12日施行)から、化粧品・健康食品まわりの主なカテゴリを抜き出すと次のとおりです(単位=人民元)。
| カテゴリ | 品牌旗艦店 | 専売店 | 専営店 | 卖场旗艦店 |
|---|---|---|---|---|
| 化粧品(美妆) | 5万 | 5万 | 10万 | 15万 |
| パーソナルケア(个护) | 5万 | 5万 | 5万 | 15万 |
| 食品 | 5万 | 5万 | 10万 | 15万 |
| 健康食品・栄養補助食品(一般) | 5万 | 5万 | 10万 | 15万 |
| └ 海外細胞栄養補助剤(NAD+前駆体 等) | 30万 | 30万 | 30万 | 30万 |
| 医薬(OTC・国際医薬) | 30万 | 30万 | 30万 | 30万 |
| 医療機器 | 10万 | 10万 | 30万 | 30万 |
| 乳幼児用粉ミルク | 5万 | 5万 | 30万 | 30万 |
あわせて、天猫国際の資費標準には次のような条件も明記されています(出典:天猫国際 資費標準〔rule.tmall.hk〕2026年5月12日施行)。
- 品牌旗艦店・専売店で申請ブランドが未登録(出願中=TM)の商標の場合、基礎保証金は10万元。
- 在庫を自社で持たない銀河専営店(无自带货)はカテゴリを問わず一律2.5万元。
- 商品の品質評価(品質感知)が基準未達で警告を重ねると、保証金が30万元まで引き上げられる場合がある(改善が続けば基礎額に戻せる)。
- 条件を満たす店舗には「共享保証金計画」による減免制度がある。
形態で差がつくのは、旗艦店・専売店がブランド自身または正規授権を受けた販売であるのに対し、複数ブランドを扱う専営店はより高い保証を求められるためです。カテゴリの階層(何級類目か)によって額が変わる行もあるため、自社の正確な保証金額は、出店予定カテゴリを特定したうえで最新の資費標準で確認するのが確実です。
年間費用(技術サービス年費)— 天猫国際は「年費あり」が国内Tmallとの違い
年間費用(技術サービス年費)は、店舗を維持するために毎年かかる固定費です。天猫国際の資費標準では、一級カテゴリを基準に3万元または6万元の2区分と定められています(複数カテゴリを経営する場合は、そのなかで最も高い区分の年費が適用されます)。たとえば化粧品・食品・健康食品・粉ミルクは3万元、女性服・男性服・靴・鞄などのアパレル系は6万元、というように一級カテゴリごとに決まっています(出典:天猫国際 資費標準・各カテゴリ技術サービス費年費一覧表〔rule.tmall.hk〕)。
ここで混同しやすい重要な注意点があります。中国国内向けの天猫(天猫商城)は2024年9月1日に年費を廃止し、成約額の0.6%を基礎ソフトウェアサービス費として徴収する方式に移行しました(出典:知乎・千贝网)。しかし越境向けの天猫国際は、この年費の仕組みを引き続き維持しています。「Tmallは年費を廃止した」という解説記事の多くは国内Tmallの話であり、天猫国際にそのまま当てはめると費用感を読み違えます。天猫国際への出店を検討する際は、「年費は依然としてかかる前提」で見積もるのが安全です。
なお、天猫国際には新規出店ブランド向けに年費の一部が返還される「新商家激励計画」が用意されてきました。公式規則では、対象期間内に店舗の年間売上が主営カテゴリの基準に達すると、実際に支払った年費の50%または100%が支付宝(人民元)口座に返還されるとされています(例:化粧品カテゴリで年間売上60万元なら50%、医薬・保健カテゴリで240万元なら100%返還)。ただし対象・期間・基準額が限定されるため、「年費は基本的にかかる前提で見積もり、返還は要件に合えば適用される可能性がある」ととらえておくのが安全です(出典:天猫国際 新商家激励計画〔rule.tmall.hk〕)。
技術サービス料(佣金)と基礎ソフトウェアサービス費 — 売れたら差し引かれるコスト
保証金・年費が「開店時にまとまって必要な費用」だとすれば、技術サービス料(佣金)と基礎ソフトウェアサービス費は「売れるたびに継続してかかる費用」です。売上規模が大きくなるほど効いてくるため、価格設計・利益計算ではこちらが本丸になります。天猫国際は、成約のたびに「カテゴリ別の技術サービス料(佣金)」と「一律0.9%の基礎ソフトウェアサービス費」の2つを成約額から差し引きます。
技術サービス料(佣金)は、成約額に対する一定率で、天猫国際の資費標準ではカテゴリごとに次のように定められています(出典:天猫国際 各カテゴリ技術サービス費年費一覧表〔rule.tmall.hk〕)。
| カテゴリ | 技術サービス料(佣金) |
|---|---|
| 化粧品(メイク・スキンケア・美容機器) | 4% |
| 食品(菓子・酒・コーヒー・茶 など) | 2%(米・小麦粉などは1〜2%) |
| 健康食品・栄養補助食品/伝統滋養品 | 3% |
| 医療機器 | 3% |
| 医薬(OTC・国際医薬) | 3〜5% |
| 乳幼児用粉ミルク・離乳食・栄養品 | 2〜3% |
| アパレル・靴・鞄 | 5% |
もうひとつが基礎ソフトウェアサービス費です。天猫国際は2025年4月1日から、買い手が受取を確認した(交易成功の)注文について、成約額の0.9%を基礎ソフトウェアサービス費として受取確認時にリアルタイムで差し引いています。受取確認後に返品が発生しても、この0.9%は返還されません(出典:天猫国際 基礎ソフトウェアサービス費〔rule.tmall.hk〕2025年4月1日〜)。つまり実際の取引コストは「カテゴリ別の佣金+0.9%」で見ておく必要があります。なお、二次資料でよく見る「決済手数料 約1%」は、この0.9%の基礎ソフトウェアサービス費と重なる可能性が高く、別途Alipay手数料が上乗せされると読むと過大に見積もりがちです。化粧品・健康食品・食品といった当社の主要なお客さまの領域では、これらの継続コストに加えて規制対応(成分・資質証明・訴求表現)の負担も乗ってきます。プラットフォームごとの向き不向きは中国ECプラットフォーム比較、規制まわりは中国EC 法規制・コンプライアンスもあわせてご覧ください。
費用を見積もるときの注意点 — 料率はカテゴリと年度で変わる
本記事の金額・料率は天猫国際の公式規則(rule.tmall.hk)に沿っていますが、実際の見積もりにあたっては次の点に注意してください。
- 同じ「カテゴリ」でも階層で変わる行がある——保証金・佣金・年費は一級/二級といったカテゴリの階層ごとに定められており、たとえば同じ健康食品でも「海外細胞栄養補助剤」は保証金30万元、というように細分化されています。自社商品が実際にどの類目に分類されるかを特定したうえで、その行の額を確認する必要があります。
- 料率・区分は随時改定される——保証金・資費標準は2026年5月に改定が入っており、基礎ソフトウェアサービス費も2025年4月に新設されました。「いつ時点の規則か」を必ず確認しましょう(本記事は2026年5月12日施行の資費標準が基準)。
- 確定額はセラーアカウントの規則ページでも見られる——公開されている資費標準に加え、出店後は商家中心(管理画面)から自社カテゴリの確定料率を確認できます。
また、費用の総額だけでなく「どの入り方をするか」でも負担は変わります。天猫国際には旗艦店以外にも、店舗を持たずモール側に商品を置いてもらう軽い入り方(全球探物)もあり、まず反応を確かめたい段階のブランドはそちらから始める選択肢もあります。入り方の違いは天猫国際 探物(全球探物)の仕組みと使いどころ、天猫国際そのものの概要は天猫国際(Tmall Global)とはで整理しています。加えて、越境ECでは商品を中国側へ届ける物流費(保税・直送などの方式差)も費用計画に含める必要があり、こちらは中国向け越境EC 物流ガイドで解説しています。
よくある質問
天猫国際の出店にはいくらかかりますか?
天猫国際の公式規則(2026年5月時点)では、開店時に保証金が店舗形態・カテゴリで5万〜30万元(医薬・一部の栄養補助食品などは30万元以上、在庫を持たない銀河専営店は一律2.5万元)、年間費用が3万元または6万元。運営中は、売上に対してカテゴリ別の技術サービス料(佣金・化粧品4%/食品2%/健康食品3%など)に加え、成約額の0.9%が基礎ソフトウェアサービス費として差し引かれます。料率はカテゴリの階層や年度改定で変わるため、自社の類目を特定して最新の規則で確認するのが確実です。
保証金は戻ってきますか?
保証金は規約違反時の補填などに備えてアリババへ預ける「預り金」で、退店時には原則として返還されると天猫国際の資費標準に明記されています。売上から消えていく費用ではなく、開店時に用意しておく資金という性格です。
「Tmallは年費を廃止した」と聞きましたが本当ですか?
それは中国国内向けの天猫(天猫商城)の話です。天猫商城は2024年9月1日に年費を廃止し成約額0.6%の基礎ソフトウェアサービス費へ移行しましたが、越境向けの天猫国際は年費(3万元または6万元)の仕組みを維持しています。天猫国際の費用を見積もるときは「年費はかかる前提」で考えるのが安全です(新規出店ブランドは、売上要件を満たせば年費の一部が返還される激励制度の対象になる場合があります)。
手数料(佣金)は何に対して何%かかりますか?
成約額に対して、カテゴリ別に差し引かれます。天猫国際の資費標準では化粧品4%、食品2%(米・小麦粉などは1〜2%)、健康食品・栄養補助食品3%、粉ミルク2〜3%、アパレル5%などと定められています。これに加えて、2025年4月1日からは全カテゴリ共通で成約額の0.9%が基礎ソフトウェアサービス費として差し引かれるため、取引コストは「カテゴリ別の佣金+0.9%」で見ておくのが正確です。
二次資料でよく見る「決済手数料 約1%」とは何ですか?
天猫国際の公式規則で成約額に一定率でかかる継続コストは、カテゴリ別の技術サービス料(佣金)と、2025年4月から新設された基礎ソフトウェアサービス費(0.9%)です。二次資料の「決済手数料 約1%」は、この0.9%の基礎ソフトウェアサービス費とほぼ同じものを指しているとみられ、これと別にもう1%のAlipay手数料が上乗せされると読むと、コストを過大に見積もる可能性があります。
まとめ — 費用は「構造」で押さえ、料率は最新の公式規則で確認
天猫国際の出店費用は、「開店時の保証金・年間費用」と「運営中の技術サービス料(佣金)・基礎ソフトウェアサービス費」という4つの構造で捉えるのが第一歩です。公式規則(2026年5月時点)では、保証金は店舗形態・カテゴリで5万〜30万元(医薬・一部の栄養補助食品などは30万元以上、銀河専営店は2.5万元)、年間費用3万元または6万元、佣金はカテゴリ別に1〜5%、これに基礎ソフトウェアサービス費0.9%が加わります。そして天猫国際は国内Tmallと違って年費を維持している点、正確な額はカテゴリの階層と年度改定で変わるため最新の資費標準で確認する点が、見積もりで外してはいけない要所です。
実際の出店判断では、費用そのものよりも「自社のカテゴリで、どの形態・どの入り方が最も投資対効果が高いか」を見極めることが重要になります。当社は天猫国際の認定パートナー(TP)として、カテゴリごとの最新の費用・条件の確認から、旗艦店・探物などの入り方の設計、規制対応までをまとめてご支援しています。「自社の場合はいくらかかるのか」「どの形態が合うのか」を具体的に知りたい段階で構いません。下記よりお気軽にご相談ください。